「どうするの?離す?」 夏目くんはきっとわかってる。 私がどうして欲しいかって、言わなくても分かってるのに敢えて聞いているんだ。 恥かしくて、これが答えと、夏目くんの手を強く握り返した。 恥かしくて、言葉になんて出来ないよ。 それがちゃんと伝わったのか、夏目くんが可笑しそうに笑った。 ダメだね。もっともっと欲張りになってる。 好きになって、見てるだけでいいと思ったのに。 いつの間にか、夏目くんの色々な表情が見たいと思ってる。