グンッと後ろに引っ張られた夏目くんが、不機嫌そうな顔をしていた。 いつもの顔だ、と思ってしまった自分が情けないや。 「急に引っ張らないでくれる?」 声も明らかに不機嫌だ。 「ご、ごめんねっ。けど、そろそろ離しても良いかなって・・・」 「離して欲しいの?さっきは、離さないでとか言ってたのに?」 「っ!?」 聞こえない様に言ったつもりが、聞かれていたんだとわかった瞬間、ブワッと全身が熱くなる。 全身から汗がにじみ出ているのが、分かった。