「隣を歩けないけど、少し距離をあけてから歩こう」 「いい、の?」 そう聞くと夏目くんが控えめに頷いて、“僕も同じ事考えていたから”と、小さく呟いた。 夢のような事が起こりすぎて、まるで雲の上にいるみたいにフワフワする。 「夏目くん、ありがと」 一つ一つの事が嬉しい。 「それじゃ、また連絡する」 そう言った夏目くんは、校舎の中へと入っていく。 タイミングよく予鈴もなり、慌てて私も教室へと戻った。