「行ってくるね」


私は席を立ち、真っ直ぐに夏目くんの居る中庭へと向かった。


その間ずっとドキドキと心臓が鳴り止まなかった。


早く、会いたい。


夏目くんの気持ちが、自分でも抑えきれない程に大きくなっていた。


これほどまでに、足が遅い自分を恨んだことは無い。


息が苦しくなる事なんて、気にしてなんていられない位走った。


やっと見えてきた中庭。


やっと見えた、夏目くんの姿。