それならいっそうのこと、熱を利用して、もっと近くにいきたい。


でも、それはズルイ。


分かってはいるのだけど、私はそうしないと夏目くんに近付くことなんて出来ない。


この先きっと、夏目くんとの距離が0になる事は無いかもしれない。


だけど、こっそりと思うだけなら夏目くんは許してくれるだろうか。


言葉にしないこの気持ちを、隠していれば夏目くんを見ていても構わないだろうか。


離れたく無い気持ちをグッと抑え、部屋を出ようとした。