そっと起こさないように前髪に触れる。 フワフワしたその髪は、くすぐったい。 「夏目くん、好きって言って……」 自分でも何でそんなこと言ったのか分からなかった。 ただ、ただ、言いたかった。 前髪に触れていた手を頬に滑らせる。 このまま、全部私のモノになればいいのに。 友達でもない私が厚かましいにも程がある。 「お大事にね……」 そっと、起こさぬよう立ち上がった時だった。 「帰るの?」 そう言ってグイッと引っ張られた。