「このみならそう言うと思って……」


スっと差し出されたメモ書き。


「夏目の住所だよ」


「えっ!?」


「夏目のファンクラブの人が教えてくれたんだよね〜」


夏目くんのファンクラブ恐るべし。


「別に彼女じゃなくても風邪引いた人のお見舞いに行く友達なんて、たくさんいると思うよ」


「友達、か……」


それは勿論口実に過ぎない。


私の中で夏目くんが友達になった事なんて一度もないんだもん。