「夏目に用事?呼んでこようか?」 「ううん。大丈夫。きっと迷惑になっちゃうし」 きっと呼んでも、来る事すらしないだろ。 「ただ、友達に教科書借りに来ただけだから」 なんて下手な嘘なんだろうって、自分で呆れる。 「じゃあ、またね鍋内くん」 鍋内くんに別れを告げ、自分の教室に走って戻る。 「はは…。痛いなぁ…」 モヤモヤした感情。 ズキズキ痛む心臓。