けれど、その事に敢えて触れないのは小林くんの優しさなんだろうな……。


「あ、うん。大丈夫大丈夫!」


「そ?なら良いんだけどね。最近中村さん辛そうだから練習キツイのかなって思って」


「そんな事ないよ。小林くんもごめんね?いつも練習に付き合ってくれて」


小林くんとはあれから週一で400mの練習を行ってる。


お陰で運動苦手だった私が驚く程に早くなれた。


来週の本番にもこれなら完走出来る気がする。


「俺も中村さんと練習するの、楽しいから」


そう言って笑ってくれる小林くん。


「あ、ありがとう……」


その笑顔に私は弱い。


胸の奥がムズムズする感じ。