前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー

アイリちゃんから離れた隙に
ミカをそっと抱き寄せて
優しく背中をさすると


「ミカ…左腕、左肩、背中
もう上がらないんじゃないのか?
無理すんなよ。」


囁くように言うと


「あっ…忘れてた……
ちょっとぉ、レイジ思い出しちゃった
じゃないのぉ〜」


とこれまた小さい声でしかめっ面で
囁くのがたまらなくカワイイ。


ミカはこんな顔してもなんでこんなに
可愛いんだろう…(笑)


「ぷっ(笑)ミカ…愛してる
絶対に渡さないから…」


今度は遠慮無しに皆に
聞こえるように言って
頭を優しく撫でると


「ちょ ちょ ちょっと!レイジ!!
リッ君じゃないんだから…
恥ずかしいよ〜
で でも、私もだからねっ…
私もレイジが大好きだから……」



「ぶっ(笑)いいかげん慣れろよ(笑)
いいか?!ミカ!
これから先の戦いは結構厳しそうだ。
でも絶対にブレるなよ!
ミカはみんなのためにとか言って自分を犠牲にすることが多々あるからな!
俺の側にいろよ!
お前はあのゲス野郎のモンじゃねぇ!
俺の、俺だけの!
大切なお姫様なんだからな(笑)」


「まだ気にしてんのかよ〜!」


「本当にさっきはどうなるかと
思ったよなっ!いきなりキレるし…
有坂の野郎が
俺の女発言したからだろ?」


とライタが悪びれる事もなく
俺の最もムカついた一言を簡単に
吐き出したもんだから


ギロッと睨むと


「あーあーあ!!
すいませんでしたぁ!!
もちろん!
ミカちゃんはレイジのもんに
決まってんだろ(笑)
なぁ、トシヤ!!
なっなっ!そう思うだろ??」


「えっ?オレ??
ああ、うん!まぁそうだなっ!!
ミカ先輩は俺にとっても天使だけど
レイジの隣で笑ってるのが
1番しっくり来る!!
有坂なんてナイナイ!!
バイバイだよ!全く!!っておい!
ライタ!!俺にいつもフルなよ!」



ふぅと一息ついてライタの事を軽く
睨んでるトシヤ…


んったく!当たり前だろーが!!


あんな奴ナイナイ!!


そんな様子を見てたケンゴ君が
急に笑い出して


「ぶっ(笑)クククククッ(笑)
わりぃ!!(笑)
こんな時に……(笑)
レイジが余裕なさ過ぎて
笑いとまんねぇ(笑)
だってさ、どの角度から見ても…
どっからどう見てもレイジは完璧な
容姿なのにさ、ミカちゃんの事になると
必死すぎて…ぷっ(笑)ぶははは
さっきだって、急にガン切れするし…
ぷっ(笑)ぶははは!!」


なんだよ!!


「俺も皆さんと
同じ血が通ってるんです!!
俺をバケモン扱いするのやめてくんないかな〜
俺、人間だかんねっ?!」


と、言うとこの前の会話を皆
思い出したようで大爆笑…


紗江さんまで笑ってるし……


ユウタロウは紗江さんに何でも
話してるんだな……


「あははは(笑)礼二って面白いのね!
初めて会った時はずっと浮かない顔してたのに…もっとクールな奴かと思ってたわ(笑)」


「だろっ!(笑)
ミカちゃんの事となると、いつも
デレデレデレデレして
ヘタレ君なんだよ!!
バケモン級のイケメン王子の
レイジは……(笑)」



「くくくっ(笑)そうねっ(笑)
さて、話をまた元に戻すわよ……」


口角を上げてニッと微笑むと
紗江さんが話し始めた