そこまで話すとアイリは深呼吸した。


みんな真剣に話を聞いていた…



「ふぅ…それでね。
ダイスケは私の居場所を聞くと
すぐに行くと言って来てくれたの。
その時に言われたのが
何があっても適当にあしらって絶対に薬に手をつけるなって…
だから私必死に誤魔化したの。
初めはジュースかなんかに混ぜて飲むといいと言って渡された錠剤を
ジュースに混ぜるふりをしてポケットに隠して
そのまま一気にジュースを流し込むと
薬で気分が悪くなったフリをして
トイレに駆け込んで薬を流したの。
怖くて怖くて震えたよ?
悪い噂はあっても優しい彼だったのに
急に呂律が回らなくなって凶暴になったかと思ったら
いつも以上に優しくなったり…
最終的には無理やり押し倒されたの。
彼とそういうことするのは
初めてでは無かったけど
状況が状況なだけにただただ怖くて
この状況を忘れられるなら今すぐ彼の打った麻薬を貰おうと思った時にダイスケがドアを蹴破って助けてくれた。
そして私を助けると、すぐに警察に匿名の電話を入れてくれて彼は捕まって
私は彼から逃げる事ができた。
彼は何度も捕まってた常習者だったから
すぐに刑務所に入ったわ。
出て来てるか出てきて無いかは
わからないけど…
ママが立ち直ってからは心機一転といって、私はママの実家に引っ越したから
その彼との接点は消えたんだけどね…
とにかく、ダイスケは元々は悪い人じゃないの。
私とダイスケの間に恋心があったわけでもない。
ダイスケは友情に熱い人だったから
友人として私を助けてくれたの。
私はダイスケのおかげで麻薬を1度も
知らずに済んだの。
なのに、そのダイスケが麻薬に手を染めてるということが
悔しくて悲しくて虚しいよ…
この戦いに勝利することがダイスケを
助ける事になると思うから……
私は絶対引かない!!!」


と、言って目に涙をためながら
アイリは私たちに辛い過去を洗いざらい話してくれた。