前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー

ミカのおかげで無事に大学の門の外まで
出れてホッと一息。


そこでミカの顔を見ると


唇の端が切れて血が滲んでいた


「ミカ先輩…大丈夫ですか?」


「ミカちゃんを引っ叩くなんて
どんな神経してるんだ??あの女は」


「綺麗なお顔に傷が……かわいそうに
ごめんな?ミカちゃん、俺らのために」


3人組もミカの顔を心配そうに見てる


俺はミカの顔の傷を見て
あまりの怒りに言葉も出ないで
いる。
今すぐ戻って、引っ叩いた奴にそれ以上
の傷をつけてやりてぇ


そんな状況でもミカはニコニコしている


そして…


「ねっ!(笑)私だっていざとなったらみんなを守れるんだから!!
でもレイジ、私唇切っちゃったから
健夫くんの所に行くから
ついてきて?(笑)」


と言って、ニッコリ笑った



「…………………………」



はいはい、そういう事でしたか…


あの場面で、誰かに殴られる事を想定してたな…


身体はったな…
俺を病院に連れてくために


ミカは他人のためなら自分が傷付いてもへっちゃらな所があるからな…


あーーあ


行きたくねぇーよ!!


病院嫌い!!!!


でも、ミカには負けたよ……



「わかったよ…ミカ……負けたよ
行くよ。病院に行くから、お願いだから
俺のミカの顔に傷をつけるような事は
しないでくれよ。心臓何個あっても足りないから…」



と言って、抱き寄せると



「レイジが病院へ行くためなら
こんな傷たいしたことないの(笑)
でも、思ったより軽く済んじゃったからレイジ行ってくれないかとちょっと不安になっちゃった(笑)
大丈夫よ!これくらいの傷(笑)」


とホッとしたようにニッコリ笑った


いやいや、かなりおもいっきり叩かれてたし…


明日、頬っぺた青くなって腫れるんじゃねぇか?


まぁ、どんなんでもミカはカワイイけど


お願いだからそういうのはやめて。


俺のためにそこまでするミカは
愛おしくてたまらないけど


ミカが傷つくのはやっぱ嫌だから…


「ミカ…頼むからムチャはしないで
口の中よりも今は胸が痛い…
俺のために、ごめんな…」


「ムチャはしてないんだけどなぁ
でも…私こそごめんね。
レイジが悲しむ事はしたくないもの。」


と、天使のような優しい顔で
微笑んだ。


はぁ、ミカの事が可愛すぎて
好きすぎて頭ん中おかしくなりそう…