「あまいっ!!!
実にあまいよっ!!ミカは!!
そしてこのお人好しっ!!」


今日はバレンタイン。


学部が違って、校舎も違うのに
レイジが追いかけ回されてる様子は
いろんな所から耳に入る。


そりゃ、私だってヤキモチは焼くよ?
レイジが大好きだもの。
その気持ちは誰にも負けてないつもり
だし、レイジが私をそばに置いて
くれる限りは絶対離れないつもり


でも、他の女の子達だって
レイジに恋してるんだもん。


それに対して私は応援は出来ないけど



私の方がレイジを好きなんだから
あなたは諦めて!なんて口が裂けても
言えません。


さっき、同じ学部の1年生が


「山田くんがチョコを
受け取ってくれないので変わりに
渡して頂けませんか?」


と私の所へ来た。


私の所へ来たということは
多分私とレイジが付き合ってる事を
知った上で来たってこと。


そこまでの想いを無駄に出来ないと
思って受け取ろうとしたら


アイリがそのチョコを
その女の子の方に押し戻して


「こういうのやめなっ!あんた!
ミカの性格知っててしてるでしょ?」


と言って返り討ちにしてた


そして今アイリは興奮状態(笑)


テッタくんも、明るくてかっこ良く
アメフトでの活躍もあってモテるから
たまにテッタくんの所にも
チョコを渡しに来る子がいたりして


それは全部見事なまでの完封勝利!
今の所全て撃退中(笑)
なのもあり、更にご機嫌ナナメなわけ


「ふふふ、アイリかわいいねっ!」


「なにがよっ!」


「テッタくんも嬉しそうだよ?」


「そうかなぁ〜…
私、本当ヤキモチ焼きだから…
醜いよね……」


と急に落ち込むアイリ


「そんなことないよ?!
私だって、レイジのあれ見て
焼かないわけないし……
ただ、昔っからバレンタインは
あんな感じだからねっ!
いいかげん馴れます(笑)」



「まぁね、レイジくんのモテッぷり
に比べたらテッタのなんて
足元にも及ばないし
レイジくんの格好良さは次元を
超えてるしね…馴れる気持ちも
わからないでもない。
でも、ミカ大人なんだもん。
底意地悪い女からのチョコ
受け取ろうとしてたじゃん…」


「うーーん、なんて言うのかな〜
あの子もあの子で必死にレイジへの
気持ちをどうにかして受け取って
貰おうと必死に見えたから……
でも、心の中真っ白とは言えないよ?
複雑だよ〜ドロドロだよ?
私だって(笑)」


「そうなの?」


「うん(笑)」



「ぷっ(笑)
でもやっぱミカはお人好し(笑)」



「いいのいいの(笑)
これが私なんだから(笑)
それに、私は今朝レイジに
フォンダンショコラ作って
食べて貰っちゃた手前ね……」



「そんなの当たり前じゃない!
レイジくんはミカの彼氏なんだから」



「ふふ(笑)ありがとう!
素直に嬉しい(笑)」


「ミカァ〜!かわいいっ!!」


と言って、アイリが私に抱きついたから


「よしよし、アイリもかわいいよ!」


と言って背中をポンポンとすると


「ちょ ちょっと待って!(笑)
なんかドキドキする!!(笑)」


なんて言うからおかしくって
笑うと、アイリも笑った


そこへ、テッタくんが数回目の
呼び出しを女の子からされると


「ミカッ!!ちょっと待ってて!!
私はお人好しじゃないから!!
許さんっ!!!」


と言って返り討ちにしに行った


アイリがんばれ〜!!