傷つけられるのも、傷つけるのも怖がっている小心者だから……。 不器用な彼は、優しさを見せようとはしない。 小心者のわたしは、彼の優しさを真っ向から受け入れる自信がない。 だから、そうやっていつの間にか、彼の優しさを見逃してしまっているのだろう。 彼がわたしの頬を撫でた手とは反対の手から赤い赤い血を流していたことに 気付けないのと同じように もっともっと深いところで受けてる彼の優しさを ーーわたしはきっと見逃している