冷酷男子の溺愛



ーー


なんだこれ。

もう一度言わせて?

なんだこれ。



確かに彼女たちケバ子’sは

クラスのみんなで瀬戸内くんの歓迎会をしたいと言った。


これから一年間同じクラスで過ごしていくのだから

そういうコミュニケーションも確かに大切だと思った。



彼女たちなりに彼に歩み寄ろうとしているのだったら

ぜひ、クラスのみんなでお祝いをしようと思ったけど……



今、わたしの目の前には今まで見たことのない光景が広がっている。


どこだかもわからないカラオケボックス。


昼間なのに、薄暗くて

そしてクラス会のくせに、同じクラスの人間がわたしと、ケバ子’sしかいない空間。

いやいや足を踏み入れる。


「あれ、もしかして2組の水瀬さんじゃないの?」

「マジだ、スッゲェ、ちっちゃ、マジで可愛いわ」



同じ高校らしいけど、わたしは見たこともない男子が話しかけてくる。


自己紹介してないのに、何でわたしの名前知ってるのか意味がわからない。


っていうか、クラスの歓迎会なのに、なんで他クラスの人がいるかもわからない。