冷酷男子の溺愛




「つっかれたー」

「おつ」


2人の元へ帰って安堵の息をついた。



「……ケバ子’sなんて?」

「クラスのみんなで瀬戸内くん歓迎会がしたいんだと」



さっきはわたしを見捨てたくせに、と言わんばかりに2人に話し始める。


名前で呼ばれたり、腕組まれたり散々だったんだというと


ゆっちゃんは


「生き地獄だな、おい」

と、相変わらずの毒舌っぷりを発揮していた。


ーー


「知奈ー」


不意に、甲高い甘ったるい声が聞こえた。


ゆ、由美子だ。




「瀬戸内くんに聞いといてくれた?それから今日は学校半日だから終わりだしこのままどこかでご飯を食べて帰ろう!メンバーはわたしの方でセッティングしといたから、ほら、行くわよー」



相手が今何をしてようと、彼女には関係ないらしい。


長いし早いし、聞き取れなかった。


わたしはわけのわからないまま

由美子に手を引かれ、学校を後にしていたのだった。