冷酷男子の溺愛




そりゃ、目を大きく見せるためにズラす人はいるけど

そんなもんじゃない。



ズレ落ちてるという表現が当てはまると思う。



「なによ」


怪訝な顔をするケバ子’s



「いやあ、流石、我がクラスのアイドルだなあと思って」


ここは、本音を言って睨まれるよりは、まだマシかと思い、心にもないことを言った。


だけど……


「当たり前よね」

「「ねー」」


彼女たちはものすごく単純だった。

お世辞というものを知らないらしい。




「あなた面白いから今日いいところ連れてあってあげる」


「行こう行こう、知奈」



そして、おだてたことが裏目に出て、何故か名前で呼ばれ、懐かれる始末。




……嘘でしょ。



嫌だ嫌だ嫌だあ。



誰かに助けを求め

瀬戸内くんの方を向くと俺には関係ないという顔をされ


ナミとゆっちゃんの方を向けば

二人は手を合わして

「ご愁傷さま」と口パクで言った。





いやだあ。誰か助けてくれー。



わたしの願いも虚しく、次の物理の授業はケバ子’sに囲まれて受ける羽目になり

授業終わりのチャイムが鳴ると、そのまま教室に一緒に連行された。


もう、二度と、お世辞なんか言わない。