冷酷男子の溺愛




すると、ふっと瀬戸内くんから笑みがこぼれた。


「なんか顔つき変わったな」

「そ?」

「泣きそうだったくせに」



今は表情が少しだけ晴れ晴れしているらしい。


そう……なのかな。


自分ではあまり意識してないからわからないけど


何かが心のなかで弾けたっていうか

諦めがついたっていうか……


そんな曖昧な感じだけど、ここ2、3日のなかでは一番心が軽い気がする。



「そんなに好きじゃなかったとか」

「いやいやいやいや」


普通に好きだったし、じゃなきゃ1年なんて続かないし。




「ま、そんなもんだよな、普通」

「そ?」

「だから、今度はあんたが見返せば」

「見返すって……どうやって」




初めて瀬戸内くんにそう提案された時から、イマイチ意味がわからない。