「……っ」
優しい悠が好きだった。
あなたの見せる屈託のない笑顔が、わたしの何よりの癒しだった。
でも、キミは変わったから
今度はわたしが変わる番。
キミとの思い出も、長年の情も、全部全部この場所で捨ててやる。
「瀬戸内くんは一体何者なの?」
「……」
「冷たい人?それとも……優しい人?」
表情は滅多に変わらない無表情のくせに目の色はすぐに変わる。
「俺は、きっと……どうだろう」
ほら、また変わった。
哀しみを含んだ顔になってる。
「でもキミの泣き顔を見たとき、手を差し伸べて優しくして優しくして
そして最後に罵声を浴びせて彼氏に捨てられろ……っていうプランBを使ってないから優しいんじゃない?」
「最低」
本当、つくづくわからない人だ。

