冷酷男子の溺愛





彼の窓から見える外を覗いてみると、朱色の空が広がっていた。



「────瀬戸内くん、すきなの」


馬鹿なわたしは、やっぱり溢れる感情が止まることを知らなくて。


今、この空を一緒に見れてることも、手を繋げていることも、とんでもないくらい嬉しくて。


わたしは好き、と、彼に伝える。




もう、お人好しじゃいられない。

気持ちを伝えられればいい、なんて、そんな甘いこと言えない。



「……わたしと」



付き合って、って言おうしたけど、言えなかった。

なぜならそれは、彼の手によって遮られたから。



「……そこから先は、ちゃんと、俺から言いたいから、言わせない」