冷酷男子の溺愛







────落胆した。



ショックで声が出なかったの。


みんなが瀬戸内くんを見て見ぬフリをしていたことも、わたしが殴られていても無視したことも、まだ純粋だったわたしには、刺激が強すぎて。



傷口よりも何倍も、心が痛かった。



そんな、時だった。


なんの期待もしないで、ゆっくりと彼の方を見ると彼は静かに泣いていた。

手に持っていた紙をビリビリと引き裂いて、静かに涙を流していた。




「……なんで、ねえなんで、ちいがケガしなくちゃいけないの」





透き通る声で、彼はみんなに問いかける。


だけど、やっぱり、誰一人として反応しなかった。