冷酷男子の溺愛




その日も、いつもと何ひとつ変わらない時間を過ごしていた。


わたしはブランコを力いっぱい漕いで、運動場を駆け回ったり、水道の蛇口をひねっては思い切り水を飛ばしたり。



「あははー」

声を出して笑って、トモダチと一緒に走り回っていた。



だけど、その時、聞こえたの。



「……やめて」

臆病な彼の、震える声が。



「……」

その時、一瞬、見えてしまったの。


3、4人に囲まれて、小さく縮こまる瀬戸内くんの姿が。




────笑顔なんて、一瞬に消える。


どうしよう、どうしよう。

湧いてきたのは、胸騒ぎ。



急いで彼のそばに駆け寄った。




不公平だと思った。彼自身、追い詰められなくてはいけないことなんか何ひとつしていないのに

どうしてこんな目に遭わないといけないのか。


妬み、なんていうみっともない感情のせいで、どうして彼が泣きそうな顔をしなくてはいけないのか。




こんなの、酷すぎて

こんな世界残酷すぎて


……悔しかった。