抱きしめられて、感じるのは幸福感。 思いもしなかった事実に、若干驚きつつも、肌からヒシヒシと感じる体温に、心底ホッとして肩をなでおろす。 「……」 安心して、瞳を閉じる。 思わず笑みがこぼれて 慌てて息を整える。 「……あのね、瀬戸内くん」 少し声が震えて、拳に力を入れる。 堪えろ、ここだけは、泣いてはいけないのだから。 「……あのね」 重たい口を開く。戸惑っている時間なんてない。 本当の幸せを掴むためにも あなたに、聞きたいことがあります。 はっきりとさせたいことが、あるのです。