冷酷男子の溺愛






名残り惜しいけど、もう、去らなくては、と、重い足を上げる。



「……本当、いろいろ、ありが」




今日は散々連れ回した挙句、道端で倒れてお世話になって、それだけで十分だったんだ。



これ以上を望んだら、いけない。

だから、ちゃんと引き上げようとしたのに。


ありがとう───と言い終わる前に、彼に腕を引き止められる。








「───ごめん、ちょっと意地悪した」

「……」



謝っているのに、顔は心なしか嬉しそうに目を細めて