冷酷男子の溺愛






確かに会いたいと思ってた。


クラスが離れて、なんの音沙汰もなくて、このまま一生関われなくなると思うと寂しくて。



どこかでまた一度くらい話しかけるチャンスがあればと思っていた。


でも、それは、普通の状況を望んでいて。



少なくとも、わたしは手に持っていた紅茶を豪快にぶっかけて、彼に鬼の形相で睨まれるなんていう状況は避けたかった。




「……なに、これ」


久々に彼の声を聞いたら、何だか泣きそうになった。


「ガムシロ入ってるだろ、ベタついて気持ち悪い」


あまりにも久しぶりで、本来ならこのドスの効いた声は恐怖の対象のはずなのに、それさえも愛しくて。



「……拭こうとか思わないわけ?」



────やっぱり、愛しくて。








わたしは動けない。