冷酷男子の溺愛





学校までの道のりは、長かった。

いつも以上に長くって、退屈で、なんの面白みもなかった。


途中で見えた虹も、普段だったら大喜びのはずなのに、その喜びを分かち合い人がいなければ、ちっともキレイに感じなかった。



「……」


わたしは落胆する気持ちを隠せず、思わず下を向いた。

一歩一歩、足を踏み出すごとに、溢れ出す思い出はあまりにも多くて。


瀬戸内 來。

彼はわたしのなかで、あまりにも大きかった。



今、彼の瞳には何が映っているだろうか。


感情、なんてもの消え去って、機械的に動いている気さえする。



そんな顔をさせたのは───誰?



考えなくても、わかる。

それは。紛れもなく、わ た し 。




自分のしたことの重大さを、何もわかっていなかった。