『えー、何で瀬戸内くんがもう起きてるのー!!えーわたしかなりショックなんですけどー』


『うっさい、まじで黙れ寸胴オンナ』


昨日までのくだらない会話が。



『寸胴じゃありませんー、どっちかといったら足長いほうですー』


『その程度でか、虚しいな、おい』



何気ない、生活が。愛おしくて。




ーー瀬戸内くん。


すっかり忘れてしまってけれど、キミはすごく女嫌いだったね。

初めのうちは、少し触れただけで青ざめて、気を失いそうになってたよね。

あまりの豹変ぶりに、わたし、本当にビックリしたんだからね。



───……だけど、それなら最後まで、そのままでいてくれればよかったのに。


「女性ホルモンが足りないから」なんて言いながらも、わたしだけ触れても平気だなんてそんな言葉言ってほしくなかったな。


へこんだ時、頭をそっと、撫でてほしくなかったな。


だって、わたし馬鹿だから、わたしだけが特別だって舞い上がるじゃない。


勘違い、するじゃない。