冷酷男子の溺愛




「……おい、どうした」

「大丈夫か?」



───ふたりの声で、我に か え る



「……」



今のは、一体何だったんだろう。

まるで自分の知っている世界と、知らない世界を垣間見てしまったような感覚。


自分がこの地にいることさえ忘れてしまったような気さえした。



「……おい、ついに頭大丈夫か?って、元々イかれてたわ」


瀬戸内くんの減らず口にも反応出来ないくらい、ぼんやりとしていて。


「……」


────痛い。頭が痛い。