冷酷男子の溺愛





────無意識、に。

わたしは自分の瞳の奥に、何かが映りこむのを感じた。



「─ ───」


途絶える、残像。

消え失せる、音声。



……なにか、なにか、なにかが不意に。


映っては消えてを繰り返す。



それは、もう機械的に。繰り返す。



『おと……────』



頭がくらみ、目を閉じると、ひとつの影。

ぼんやりと、人影があった。




何だろう、怖い怖い怖い。


自分のなかの何かが、移り変わってしまう気がして、ただひらすら恐怖が襲いかかってくる。



『────すきだよ』







全身の力が抜け落ちていくのを感じた。