「元気かー?」





 なんと玄関の前に立っていたのは、ケーキの箱を持っていた涼太くん。


 なぜか他の4人はいなかった。





 「元気じゃないから休んだんですけど。…でもお見舞いありがと。あがる?」




 「おじゃましまーすっ」





 涼太くんはあたしにケーキの箱を無言で渡してきた。






 「えっ、ありがとう。涼太くんが買ってきてくれたの?」




 「まぁな」





 具合が悪くなると、なぜか無性に甘いものが食べたくなるあたしにとって、涼太くんが買ってきてくれたケーキは媚薬とも思えた。