神様のいじわる

「ちゃちゃっと終わらせようぜ!」

「う、うん…。」

ど、どうしよう…。
私、お裁縫苦手なんだよなぁー。

「痛っっ!」

針を刺したのところから赤い血が出ている。
やってしまった…。

「っ。あぶねぇなぁ。貸せ。」

は、はやい…。
しかも上手い…。
何者なんだこいつ…。

「裁縫、上手だね?」

「妹のボタンとか留めてたから。」

妹いたんだぁー。
絶対可愛いだろーなぁ...♡

「兄妹か…。いーなぁ…。私、一人っ子だから兄妹、ほしかったんだよね。」

私がそういうと、蓮くんが目を伏せた。

あれ…?なんか変なこと言ったかな…。

「妹、もういないから。」

「え…?」

「離婚、したんだ。んで、バラバラ。」

そこにいる君の瞳は別人のように輝きを失っていた。

「ご、ごめん…。」

「ん。気にすんな。昔の話だ。」

ズキッッッッ

また胸が痛んだ。
この胸が何を意味しているのか、私にはまだ、わからなかった。

それから私たちは作業が終わるまで話す事はなかった。