side 星花

家に帰りたくない

いくとこもない

もう力も入んない

私はただ凌也に引かれるまま

ついていった

ついたのはこの前の溜まり場だった


「あれっ!?」

狼牙のみなさんはびっくりしている

そりゃそうだよね

私もよくわかんないし

「優、着替えとタオル」

凌也が私をソファーに座らせる

そしてすぐに優しそうなイケメンくんが

タオルと着替えをくれる

受け取ったものの力がまったく入らない

てか、いまいち状況がよくわけんない

なんでここにいるんだっけ

私どうしたいんだっけ

動かない私をみて凌也がタオルを私の体にかけてくれる

はぁ

迷惑かけてるなぁ

けど、どうしよう

ほんとになにもやる気がおきない…

今度は可愛い子がココアをもってきてくれた

あったかい…

一口のむと温かさが全身に広がるようで


涙がつーっと私の頬をつたった


狼牙はびっくりしたようで

「え、そんなにまずかった!?」

とあわてている

私はなにも言わず首をふった


ほんとうにあたたかくて

体だけじゃなくて気遣ってくれるあたたかさが

心に染み込むようで

誰の助けも借りたくないのに

これ以上優しさなんかしりたくないのに

この日の私は弱すぎた

だから優しさに甘えてしまったんだ

体があたたまるとぽーっとしてくる

ここはなんだか落ち着く

どうしてだろ?

まだ会ったばかりの人達なのに…


私はいつのまにかねてしまった