「はああー…」
『どーした?山本。
ため息なんかついて。』
「ほんっと先輩…あたし
だめだめですよ。」
先輩は仕事の手を止めて
不思議そうにわたしを覗き込んだ。
『どーした?』
「…」
ホストに遊ばれてるんです、
なんて口が裂けても言えなかった。
この清純な柚葉ちゃんが。
「なんでもな…」
その時着信を知らせるバイブが鳴った。
着信: 佐藤孝宏
「あ、先輩ちょっとでていいですか?
同僚の佐藤くんから…」
佐藤孝宏ー 1年目一緒の部署だった
同僚。
1年目は仲良くて仕事帰りよくご飯行ってた。
でも異動で離れてから
自然と距離があいてった。
『佐藤…お、おう。
いいぞ。』
?
なんの沈黙だろう?
