げ。アイドルだ…



彼は静かに後ろを振り返ってきて
私の机に頬杖をつき



「よろしくね」



ってキラキラ笑顔で笑った。




これね。この笑顔で星の数くらいの
女の子たちを落としてきたのね。



だけど私はその笑顔なんかに
騙されないんだから。




「やっぱり。凄い困った顔してる
 噂で良く聞くよ?男嫌いなんだってね」


「知ってるのに話しかけてきたの?
 性格悪いね。さすがアイドル」



これくらい辛口じゃないと
こうゆうナルシストは引き下がらない。



「悪いけど、アイドルアイドルって
 ひとくくりにしないでくれる?
 男ってひとくくりも、かなり
 イラつくけど」


「…は?」



なにこの男…
今まで私が見てきた男達と違う。


余裕があって私の事もすべて
見透かしてる…みたいな。




強敵だわ。