care~男嫌いな私とアイドルのあいつ~





ガラッ



「空…!!!」



生徒指導室の扉を思いっきり開くと
そこには驚いた先生と空がいた。

空は5、6人の先生に囲まれて座っている。





「…美咲」


空の顔には傷一つ見当たらない。




やっぱり暴力事件なんて嘘なんじゃ…





「暁さん、そろそろホームルームが
 始まる時間ですよ。さ、教室へ」



生徒指導室の先生が私を教室に
戻るように促した。





「わかりました。戻ります。
 でも空は悪くないです。
 空は私をかばって起こした事です。
 なので罰は全て私に…!!」


私は生徒指導室に響くくらい
大きい声で叫んだ。



私の発言に先生は首を傾げる。




「美咲、これは俺がしたことだよ。
 いいから、教室戻って」 




そう言って空は真っ直ぐ私を見る。



私は頷く前にバッと生徒指導室を
飛び出した。