「黒澤 咲良いるー?」


 
 
  
私が五組に顔を出すと
一人の男子が振り返った。





「俺だけど、何の用事?」




黒澤 咲良は少しダルそうに
私に近付いてきて欠伸をする。





…え?この人が本当に
あの日の占い師??     


  

私は少し疑いながらも 
笑みを浮かべた。





「あの時、占ってくれて
 どうもありがとう!!

 私、あなたのおかげで大切なもの
 取り戻せたよ。」





この人に占ってもらってなかったら
今頃、慶くんとも気まずいままだった





「あ、ガラスの靴、拾えたんだ?」





…やっぱりこの人だ!!




彼は一瞬ふっと微笑み
「それは良かった」と呟いた。





「あの、また困ったら
 占ってもらっていいかな?」 




「いいよ、俺の気分によるけど」





「ありがと!!!」




ちゃんとお礼が言えて良かった。