ある程度散ってしまった桜は、雨のせいでほとんど落ちてしまっていた。

雨は嫌いではない。
ないが、これは些か酷いと思う…。

晴の入学式に雨ですよ!?
あはは、笑えねぇ。

傘をさして校門をくぐるだけでもこんなに気分が違うとは。

この雨を避けたくて、私は足早に下駄箱に向かった。


自分の番号の下駄箱を見つけ、リュックから買ったばかりの上履きを取り出す。
履きなれないまま、自分のクラスへと向かった。


「なんでこんなに静かなんだ…。」

私のクラスは、物凄く静かだった。
数人が集まってぼそぼそと話している以外は、誰も言葉を発していない。
怖すぎる…。

とりあえず自分の席へと座る。
窓側の一番後ろというなんとも嬉しい席である。
あ、でも友達作りには適さない席だ。
良いのか悪いのか、私はその席へと腰掛けた。