そして放課後。

いやー、時間がすぎるのは早いですね。

3時限目の"向田先生のかつら紛失事件"とか、5時限目の"教頭誘拐事件!?〜その妻と隠された家庭環境とは~"とか、結構面白い事もあったと思うんだが…

「矢吹ー、話聞いてるか?」

頭上から聞こえる無駄に明るい声に気付き顔を上げると、

「もう一度言う、話聞いてるか?」

この世のものとは思えない…般若様がおりました。

パーンッという軽快な音が聞こえたかと思うと、頭に痛みが走った。

…こ、この人殴りやがった。
何も殴ることはないだろう!?
体罰だ!こういうの体罰って言うんだ!
バレたらあんたの教師人生終わ「お前が誰にも言わなきゃいいことだろう。な、矢吹?」

「…はぃ。」

般若教師の脅しにより、今回の体罰騒動は誰しも知られることがなく、ひっそりとなくなったという。

「はぁっ…お前がこんな生徒だとは思わなかったよ。」

…大分失礼なことを言ってはいないだろうか、この般若教師は。

「お前の担任も言ってたぞ?
『矢吹さんは、大人しくて真面目で勤勉でいつも一生懸命な生徒です。(裏声)』ってよ。ま、つまり地味で目立たない勉強ぐらいしか取り柄のない奴だと思ってたんだが…。」

ちょっと待て。
私は確かにクラスではあまり自己主張できずどちらかというと大人しいタイプに見られるかもしれないが、仮にそうだとしてもその本人の目の前でそこまでオブラートに包まず言うか?教師としておかしくないか?不登校になるぞ?

「思ってた、過去系だ。つまり今は違うんだからいいじゃねぇか。」

そういう問題ではないことは明白だろうが。こいつ、本当に教師か?

「矢吹、俺は心が広いから今までの暴言はさらっと流してやってたがな?…次はねぇぞ?」

「…はい。」







とても真っ黒な笑顔でした。