「莉珠ちゃん!お仕事お疲れ様!」

「あっ!お疲れ様です!」

この人は明希先輩。みんなからはあっきーって呼ばれている。明るくて話しやすくてとても親しみやすい人だ。

てゆうか、現時点で後輩は一人もいない。高1だから当たり前だけど…。
先輩だらけの職場って結構気を使う。でもここは優しい人が多いからとてもよかった。明希先輩の他にも…

「りずちーん!もう暗くて危ないよ!一緒に帰ろーやー!」

「結構です。山瀬先輩反対方向でしょう?遠回りになりますし山瀬先輩の家ここから遠いんだからもう帰った方がよろしいんじゃないんですか?」

「ぐっ…りずちんは…なんて、なんて…優しいんだー!!!」

そう、この人は愛すべき変態、山瀬拓先輩。他の人達からはたっくんとか、拓とか呼ばれているけど、私は断固として名前呼びをするつもりはない。

なぜなら、変態だから。
こんな人に送ってもらったらとんでもない。食われること間違いなし。私はここに入ってまず初めにそれを学んだ。

「んじゃあ、ワタシと帰ろっか!莉珠ちゃん。」

「あ、はい!////」

ん?後ろのスラッシュはなんだって?
んなもん仕様で御座います。
わざとです。ええ。ちなみに頬を赤らめていたとかではなく、スラッシュスラッシュスラッシュスラッシュ、と口に出して言いました。
山瀬先輩への当てつけです。山瀬先輩は非常に単純な脳みそをしていらっしゃるので…

「ちょっ!なんでりずちん顔赤らめてるの!?」

このように、作り出した効果音も信じます。ちなみに私の顔は赤くなってなどいない。至って普通。

そしてぎゃーぎゃー騒ぐ先輩を置いて明希先輩と帰る。

「あっ、ちょっ、りずちーーん!!!」




これがバイト帰りの日課。