-金剛家 善三郎の書斎
「そ、それは本当なの?夏男!」
40代後半の女性が声を荒げて言った。
「あぁ……俺がこの目で見たからな……」
「お…お父さん……」
夏男の姉、金剛春子は泣き崩れた。
「姉さん…親父は…」
ガタガタ……
「チッ…うるせぇな。親父がどうしたんだよ?兄貴…」
「ふ…冬ちゃん!」
冬ちゃん、と呼ばれた男は金剛冬助。金剛家で一番の不良で、高校卒業後ふらりと家を出て行き、3年前ふらっと戻って来たばかりだった。
「冬助…。父上は…今朝、殺害されたよ…『金剛会館』で」
「お、親父が?殺されただと?」
冬助と善三郎は昔から仲が悪く、犬猿の仲だった。
姉弟内でも、冬助のことを心配していた…。一人を除いで…。
「お兄様、お姉様…お父様がどうなさったんでしょうか…」
金剛秋子…。金剛姉弟の中で一番若いが、3人と違い腹違いの母親から生まれた。
そのためか、姉弟内でも嫌われている。
「あら、秋子。遅かったじゃない」
「ごめんなさい、春子お姉様」
「秋子。今朝、父上が何者かによって殺害された。一応容疑者らしき人物は警察に逮捕されたみたいだが…」
「お、お父様が?」
秋子は驚きが隠せなかったようだ。
「いったい、どうして…ですが、犯人が捕まったなら…」
「おい、秋子。お前が殺したんじゃないか?」
「ふ…冬助お兄様!そんなはずはありません」
「あらあら、どうかしらね?元々は遺産目当てだったりして」
「冬助!姉さん、やめないか!!」
「チッ…」
夏男の一言により秋子への暴言はおさまった。
「まだ、このことは表に出さないように、わかったな?」
「俺は、ちょっとパチンコしてくるぜ」
「冬助!」
冬助は、姉弟を後にして出かけて行った。
「父上がなくなったというのに…」
「さて、これからどうしましょうか……」
「その話、もっと詳しく聞かせてもらおうかしら?」
冬助と入れ違いに入ってきたのは 義理の母、秋子の母で善三郎の後妻の金剛富士だった…。
