真夏の高校生探偵記


 -金剛会館 館長室

 「違う!俺じゃない!」

 俺は必死になって言った。

 「そうか、でも、お前以外誰もいなかった。それに決定的証拠としてお前が持っているナイフ…それは、そう言い訳をするんだ?」

 館長室で俺の前に座っているのはここの館長の金剛夏男。殺害された善三郎の息子だ。

 「…玄関に落ちていた」

 「玄関に落ちていた…だと?苦しい言い訳だな」

 確かに苦しい言い訳だと思う。あの時興味本位でナイフを拾い奥まで進んで行ってしまった…。

 「夏男館長、今警察を呼びました」

 茂田カヨ江…ここで働くお掃除のおばさんだ。掃除に来たところ俺を発見して、あの遺体を見たんだろう。

 「うむ、ありがとうございます茂田さん。…さて、君、名前は?見たところ若いが年齢は?」

 俺は正直に答えることにした。

 「立谷清二。18歳」

 「18歳?高校生か」

 「はい」

 夏男は少し悩んだ挙句にこう言った。

 「親父に何の恨みがあったんだ?息子の俺には言いにくいかもしれない…だったら警察の人に言って構わない」

 俺はやっぱり疑われているんだな…。

 俺の夏休みどうなるんだ、人生はどうなるんだ…色々な思いが頭を駆け巡る。

 「俺は、朝早く散歩してここへ来た。公園のベンチで座って休んでいたらここから怪しい人影を見つけた。それでここへ入った。その時にナイフを拾い町長の遺体を発見した」

 どうせ信じてもらえないだろう…。

 「ふむ…わかった。まだ私たちがどうこうすることはできない。警察の人に任せるよ。しかし、君は今のところ一番容疑者に近い存在だ。そう簡単に返すわけにはいかない…わかるね?」

 「わかってます」

 「話は、警察の人にしてくれ…」

 警察の人、警察…聞くたびに吐き気がする…

 俺はいったいどうなるんだろうな。

 遠くからサイレンの音が聞こえた。