真夏の高校生探偵記


 
 -氷室邸 政樹の部屋

 「取りあえず、俺の部屋に入れ。ゆっくり説明する」

 政樹に言われるがまま清二と的場は政樹の部屋へ入った。

 「ところで、金剛杯とはどういった大会なのでありますか?」

 的場は政樹へ訊ねた。

 「ま、簡単に言えば金剛一族が裏金を使って開催する裏のパチンコ大会と言うべきか…しかし裏金っつーのが町の金を使ってたって噂だ」

 「ちょ…町長がそんなことしていたのでありますか!?」

 「噂だぜ?詳しくは俺もわからん。他のパチプロから聞いただけだ」

 「他のパチプロ…瞬さんの事ですか?」

 「さぁな、誰だったか忘れた。さてお前に一つ言っておかなきゃいけないことがある」

 「なんですか?」

 政樹は金剛杯についての説明を清二にしたのだった。

 「金剛杯では普通のパチンコの大会とは異なる点がある。それは、バトルロワイアル形式だ」

 「バトルロワイアル…?」

 「まず、お前を含めた10人がエントリーする。AとBブロックに分かれて1位が決勝で戦うわけだが…まずは予選で5人のバトルロワイアルがある」

 「バトルロワイアルとは、負けたものが次々死んでいくのではあります…清二君さすがに危ないでありますよ!」

 「まぁ、落ち着いて聞け。バトルロワイアル形式では、決められた制限時間ごとに獲得玉数が最低な者が脱落していき最後の1人が残るまで続くものだ」

 「なるほど…。要するに最後まで生き残らなきゃいけないってことですか」

 「そういうことだ。そして、これを見てくれ」

 政樹は清二に2人の男の写真を見せた。

 「右の写真の男は桜森良。左の写真は椎葉竜也。こいつらもパチプロだ。金剛杯に必ず出場してくるはずだ」

 「この男…竜也でしたか。本官見たことがありますね」

 「…きっとこうじゃないか?この男は…」

 「とある、組織と裏で違法な賭け事をして某国から大量の薬を…手に入れたのであります。それに、椎葉竜也は賭け事をしたら必ず勝つというジンクスがあるのであります。…裏で取引をするときなどは組織側も警戒した人物だったのであります」

 「さすがは警察と言ったところか。この男、さっきも言ったが必ず金剛杯に出場してくるはずだ。ただそれだけなら警戒する必要はない。しかし、瞬の話だと今回の金剛杯の開催者と何らかの関わりがある…と言う話を聞いたらしい。だからそれについてもお前に調べてほしいんだよ」

 「…は、はぁ」

 「ま、無理にとは言わない。それに、お前の目的金剛杯に出場しそして優勝することだ」

 「もちろんそれはわかってる」

 「名前だけ覚えておいてくれ…念のためな」

 「桜森良と…椎葉竜也か」

 







 -金剛町 バー「Break」

 「良さん、良い仕事見つけて来ましたね」

 「まぁな。金剛杯…善三郎のおっさんが死んでなくなると思ったけど、ちょうどいい仕事が入って来て驚きさ」

 パチプロの桜森良と椎葉竜也はバー「Break」で酒を交わし話していた。

 「ところで、竜也。今回お前も参加してもらうわけだが…」

 「はい」

 「お前、以前俺に黙ってヤクザ組織「白森組」と裏で取引したそうだな」

 「そ、それは…」

 「まぁ、すぎたことはいい…だがそのことをあいつにばれてしまえば…こちらが逆に使われてしまう…。無駄に言いふらすんじゃないぞ」

 「大丈夫です良さん。そのことには心配に及びません」

 「それはどうだかな…」

 「信じてもらうしかありません」

 「…わかったよ。さて、次の大会の時…必ずあいつを…仕留めるぞ」

 「今度こそ、打ちのめさなければ…なりませんね」

 「あぁ、あの男…氷室政樹をな!」