-金剛派出所
「ふぅーだいぶ片付いたであります!」
的場は一人黙々と掃除をして半分片付いたところだった。
「大久保警部!」
『ゴールドメッキ』を後にした清二が帰ってきた。
「清二君でありますか!お疲れ様であります」
「的場さん、大久保警部は…?」
「ただ今外出中であります。いったいどうしたのでありますか?」
「金剛会館にとあるものが落ちていて、それを知るために東郷瞬さんに会い調査をしました。そしたら、ある情報を手に入れまして…」
「とあるもの…?」
「…新緑町に住む氷室冷蔵と言う方を知っていますか?」
「…申し訳ないであります。隣町の事などは本官はわからないのであります」
「やっぱり、大久保警部に…」
「その新緑町の氷室氏に会えば何か手がかりがつかめるのでありますか?」
「いや、昨日の瞬さんのアリバイ確認…そんな感じです」
「アリバイ確認…ってことは瞬が金剛会館に?」
「…断定はできませんが髪の毛が落ちてました」
「髪の毛でありますか…」
「ですが何か不自然…そんな感じです」
「あとで、警察署に鑑定を依頼するであります」
「わかりました」
清二は的場に瞬から聞いたことを話した。
「…ところで、清二君。新緑町に行ってみるでありますか?」
「いいんですか?」
「善は急げでありますからね」
「なら、お願いします」
こうして、清二と的場は隣町の新緑町に向かうことになった。
-新緑町 氷室邸
「ふむ。わざわざ伝えに来たのか…ご苦労なこった」
「いえ、ですが、善三郎氏が亡くなったことによって…」
「それは大丈夫だワシに任せろ」
「ありがとうございます」
瞬は氷室冷蔵と話をしていた。
「ところで、瞬よ。隣のおなごはお主の連れか?」
「えっ!」
美月はとたんに顔を赤くした。
「あっはっは!」
瞬は大笑いをした。
「美月ちゃんは確かに大切な友人ですが…今はそういう関係ではないですよ」
「そ、そうですよね!まだ…私たちは…」
「ふぉっふぉっふぉ…瞬よ。早くしないと可愛い子は取られてしまうよ」
「大丈夫ですよ。美月ちゃんが幸せになればね」
「まったく、生意気になったもんじゃ。若造がそんな言葉喋るんじゃないぞ!」
「すいません」
瞬と冷蔵、そして美月は談笑して楽しんだのだった。
-その頃
「ここが新緑町でありますよ!」
「あとは、氷室さんの家まで行けばいいのか…」
「ここは田舎でありますね~」
的場はのんきな口調で言った…。
「ん?君たちは金剛町の警官じゃないか?」
清二たちの前に立っていたのは氷室政樹だった。