-金剛派出所
「うわっ…埃っぽいでありますね…」
「そりゃ、何年も使われてなかったからな。まずは、ここの掃除を頼むぞ」
「…俺もですか?」
「いや、清二君は早速捜査…。商店街の人に聞き込みをお願いしようかな」
「掃除は本官一人でですか!?」
「的場、お前掃除苦手か…?」
「…に、苦手でありますね…」
的場は掃除が苦手のようだった。
「苦手な克服することは大事な事だろう?」
「そうでありますね!…わかりました、本官掃除をがんばるであります!」
「うむ。よろしく頼むよ。…では、清二君、商店街に行こうか」
「はい」
そして、清二は大久保共に金剛商店街へと向かったのだった。
-金剛商店街
「いらっしゃぁぁぁぁい!」
魚屋の元気な声が夏の暑い朝に響く。
「魚は鮮度が命!早く買って行かないと駄目になるよぉぉぉ!」
「魚屋の風来さん、毎日本当に声が大きいわね…ある意味迷惑だわね~」
肉屋の吉川は明莉に愚痴っていた。
「そうですか?とても元気そうで60前には見えないですよ」
「甘いわね~明莉ちゃん。あの親父。元パチプロだったのよ?」
「パチプロ…?」
「パチンコのプロみたいよ。パチンコだけで食べていくっていうの」
「それは、すごい…ですね」
「パチンコなんてくだらないわよ…。いつまでもそれで食べていけると思ったら大間違いなんだから。だからあの親父も足を洗って魚屋を営んでいるわけだし…」
「確かに、金剛町の獏大借金のせいで…」
「本当。町長の息子と偽善者警部の横領かなんかだったかしら…?」
「いえ、修理費のミスかなんかですよ…確か」
「でも、それで迷惑してるのは町人なんて知らないんだわ、お金持ちは」
「そうですね~…あ、いらっしゃいませー!」
明莉の前に現れたのは、同級生の清二だった。
「お、おはよう。野々瀬さん」
「…せ、清二君?」
「あら、明莉ちゃん、彼氏~?」
吉川ははやし立てた。
「ち、違いますよ!同級生です…ど、どうしたの?清二君」
「実は…今朝『金剛会館』で町長が殺害されているのが見つかったんだ」
「ほ、本当なの君?」
吉川は驚きながら清二に尋ねた。
「はい。この目で見ました。しかし、茂田さんに目撃され俺が犯人だと…」
「だからパトカーに乗ってたの?」
明莉は一人納得した。
「違う!俺は無実なんだ。…だから真犯人を見つけるべく聞き込みをしてるんだ」
「…ド素人が見つけられるわけないでしょう。素直に罪を認めなさい」
「よ、吉川のおばさん!清二君はやってないと思うよ」
「野々瀬…さん?」
「明莉ちゃんが言ってもね…何か証拠はあるのかしら?」
「…ないんです」
「なら、だめじゃないの。信じてあげたかったけど…無理ね」
「吉川のおばさん…」
「証拠を何か持ってきたらいいわよ」
「わ、わかりました」
「清二君…私も協力するよ!」
「…野々瀬さん?」
「何かあったら私に頼ってよ!商店街の事、よく知ってるから」
「わかった、ありがとう」
清二は明莉に礼を言うと、『金剛会館』へと向かった。
「…あのガキが…こんな朝早くから…ふん…」
紫色の髪をなびかせた青年が清二を見て囁いた。
「まぁ、どちらにせよ、俺には関係…なしか」
紫色の髪の青年は開店していないパチンコ店の裏口から入って行った。
