-金剛警察署 取調室
「それでは、簡単に君の事を聞かせてもらおう」
清二は向かいに座る警部の大久保腎平に自分のことを話した。
「立谷清二、金剛高校に通う18歳です」
大きくうなずく大久保。
「私は、君は犯人だとは思っていない」
「な、なら、解放してください!」
清二は強く訴えた。
「まぁ、待て。さっきも言ったように君には真犯人を探してもらいたいんだ。警察が動くよりも犯人は警戒していないからな。君には迷惑をかけてしまうかもしれない…だがご協力をお願いしたい」
清二は少し考えて「わかりました」と返事をした。
「ありがとう。夏休み中に犯人が見つからなければ、あとは警察に任せてくれ。君が真犯人を探し見つけ出してくれるのが理想的なんだがな…」
「…俺で大丈夫ですかね」
「大丈夫だ、サポートとして的場巡査も君の援護に回ってもらうよう手配した」
「ちょ、ちょ…本官もなんですか!」
的場は驚きに満ちた表情をした。
「大丈夫だ、的場。君は金剛町の派出所にいるだけでいい」
「え、派出所何てあるんですか?」
大久保と的場は何やら話し込んだ。
「話せば長くなるがな。ここの警察署ができる前は派出所があったんだ」
大久保が話す金剛寺派出所の歴史を清二も聞いた。
「10年前程に金剛町に寺と派出所があったんだ。警察署が建てられるとなり派出所は閉鎖されることになった。しかし、寺の住職…龍神藤聖珀は閉鎖に反対だった。しかし、その住職も突然、病に倒れ亡くなり寺も派出所と共に消えたといいうわけだ。派出所の建物は取り壊しはされてはいないが、寺は6年前に取り壊しされたようだな…的場にはその派出所にいてもらうことにしよう」
「ひ、ひぇ…随分とした歴史があったんですね」
的場は少しおびえているように見えた
「だが、不可解なのは住職は実は謎の死を遂げているかもしれないという事なんだ…表向きでは病でなくなったとされているが具体的な病名はわかっていない」
「それって…」
清二が口を開いた。
「たとえば、誰かが住職を殺害し証拠を隠滅するために病気と言うことにした…なんて考えられませんか?」
「ふむ。君の言っていることは大体あっている。警察の見解では、当時の警部と町長である善三郎氏が裏で手を組み派出所閉鎖を反対している住職を殺害したんじゃないかと考えている。派出所の維持費とかなんとかで色々と金がかかってしまうのでね、無駄にいらない施設は潰したかったんだろう。邪魔者は消した、なんて話さ…もちろんどうかはわからないよ」
「清二君、結構頭が冴えているのでありますね!」
的場はまた驚いていた。
「…ま、まぁ」
「それなら的場君も安心だろう。さ、金剛寺派出所に行こう」
