私は本当は20歳になっていて、病気で目が覚めたら4歳の頃の記憶までしか無くなっていて・・・。

えーと確か・・。おじ様にこの部屋に変わろうねって言われて・・・・。

お兄ちゃん先生がいつも一緒だから、淋しくないよって・・・。

それが、まさか春兄だったなんてびっくりだよ!!

でも、和也は今どうしているんだろう?

春兄に嫌われたかもって相談したとき、ずっとそばに居てくれるって約束したのになー・・・。

私の新しい記憶の中には、和也はいない気がする。

だけど、私の病気ってなんだったんだろう・・・・・。

今の記憶は14歳までで・・・・。その先があるなんて・・・。

分からない・・・。怖いよ・・・。

助けて和也!!

私は自分の体を強くだきしめていた。

「・・・緒・・・実緒!大丈夫か?気分でも悪いのか?」

春兄が心配そうに、顔を覗き込んできた。

「顔色が良くないな・・・。少し眠ったほうがいい。」

「これ飲んで・・・。」

1粒の錠剤と水をくれた。

「眠るまで、こうしてるから・・・。安心して・・。」

春兄は、私をベッドに寝させると、手を握ってくれた。

大きくて、暖かい手だな・・・・。

目を瞑ると、そのまま深い眠りへと落ちていった。