次の日、また催眠療法が始まった。

「実緒ちゃんー。先生の声聞こえてるかな?」

「さあ、今日も大きくなるよー。5歳・・。6歳・・。7歳・・。8歳・・。9歳・・。10歳・・。」

実緒がまた暴れ出す。今度は原先生も止めない。

白石先生が。俺に合図をする。

俺はいつものように、ギュっと抱きしめて叫んだ。

「大丈夫だから!!・・。いつも一緒にいるから!!俺がそばにいるから!!」

「だから、落ち着け!!実緒!!」

すると・・・・・。

「だって、春兄ちゃんは私の事嫌いになったんでしょう?・・・。」

「だから、実緒のこと避けるようになったんでしょう!!。」

「和ちゃんは、勉強が大変になっただけだからって言ってくれたけど!!」

「和ちゃんは、代わりに俺が居てあげるって、ずっとそばに居るからって言ってくれた。」

白石先生は、先に進める。

「じゃあ実緒ちゃん、もう少し大きくなろうね。11歳・・。12歳・・。13歳・・。14歳・・。」

「今度は何が見えるかな?」

「春兄がお医者さんになって、おじ様の病院で働いてる。和也もお医者さんになるって勉強してる。」

「どんな気持ち?」

「んー。私も頑張らなくちゃって、いつまでも泣き虫のままじゃダメだって思ったよ。」

すると、白石先生は・・・。

「実緒ちゃん、よく聞いてね。今日からは小さい頃にはもどらないからね。」

「3・・。2・・。1・・。ゆっくり目を覚ますよ」

えっ?!どういう事だ?14歳のままで覚醒させるなんて・・・。