この治療法は毎日行われた。

でも、いつも同じところまで来ると実緒は拒絶し先に進むことができなかった。

白石先生が・・・。

「春斗先生、この頃に実緒ちゃんにとって、何かショックなことがありませんでしたか?」

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「どんな些細なことでもいいんです。記憶にないですか?」

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「そう言えば、関係があるかどうかわかりませんが・・・。」

「俺は、実緒が好きだったんです。でも、年も離れていて・・・。だから兄として振舞おうとして・・。」

「和也と一緒になってくれればいいと・・・・。」

「そのほうが実緒にとっても幸せなんだと思ってたんです。」

「だから、なるべく和也の方に頼らせるようにしむけたんです。」

「そんな頃からでしょうか?俺のベッドに潜り込んで来なくなったのは・・・。」

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「では、ひとつ試してみましょう」

白石先生は言う。

「今度、同じ状態になったら、声をかけて安心させてみて下さい。」

「うまくいけば、先に進めるかもしれない・・。」