ひと夏の恋

あの後私は、用事があると言ってその場から逃げた。

平然を装っていられる勇気がなかったから。

先生は気付いたかな、私の気持ちに。

どんな顔されるんだろう。

どんな顔したらいいんだろう。

それとも先生は、なんとも思ってないのかな。

先生に会うのが、気まずい。

怖いーー。



私はみっちゃんに電話で話した。

するとみっちゃんからは、思いがけない返事が返ってきた。

『別に、彼女がいてもよくない?』

目が点になった。

「え!?な、なんで!?」

『だって、彼女なら奪えるじゃん。その彼女より鈴を好きになってもらえばいいだけだよ!』

そんな、簡単に言うけど…

それはとても難しい気がする……

『大丈夫だって!頑張りなよ!逆に結婚してなくてよかったじゃん!』

そうだよね。

結婚してたら本当に諦めるしかないもんね。

『それに、彼女いるっていうのだって、本当かもわからないじゃん?嘘かもしれないよ!』

「それは…ないと思う……」

先生は微笑みながら、自慢の彼女だと言った。

それくらい誇らしい彼女なんだろう。