様々な疑問が頭の中に浮かんでは消える。

 そしてバカな俺の頭でも確信を持って言えるのは……

 副会長は会長が好きで、会長もまた好きな奴がいるってことだ。

 

 なんだ…
 やっぱ俺のことからかってただけじゃん。

 
  
 胸がキリキリと痛んで、その場をそっと離れようとした時……


 「そんなにあいつが好きなのか!?
 滝原祥が!!」


 
 …………ん?

 え、俺?

 いやいや
 ないだろ。

 何言ってんだ?
 副会長。


 
 「うん。」

  
 ドアから漏れる会長の声。
 
 中からガシャンッと大きな音がして、副会長が生徒会室から出て来た。

 副会長が俺に気付くと、すれ違い様に舌打ちをして、俺を睨みながら行ってしまった。

 そっと中を覗くと、呆然とした会長と、会長の周りに散らばる大量の書類。

 会長の頬を、一筋の涙が伝っていた。

 ゆっくり近付いて、涙を拭く。

 会長が下に向けていた視線をゆっくり俺に合わせると、驚いたように目を見開いた。